2012年11月11日日曜日

終の信託


周防監督作品なので。
前作の「それでもボクはやってない」を見て、
あまりに衝撃を受け過ぎて
「Shall We Dance ?の監督でしょーえー」 とか
考えてた自分を猛省したことを思い出しながら。
劇場に着くと、若者は誰一人おらず
平均年齢50歳~60歳くらいかな?とくに夫婦が多かったです。
まさに近々「終の信託」をするのかもしれませんね…
前置きが長くなりましたが、良かったです。
というか、色々考えさせられるヤーツでした。

あらすじは非常に単純で
草刈民代が医師で、役所広司が患者で終末医療に関するお話。
前半は年を重ねた未婚女性の抱える問題と
役所広司と家族の関係の説明で、
前者について、とくに共感とかはなかったけど
前半の30分間くらいかな?
草刈民代の体当たり演技が矢継ぎ早に出てきて
そこはずっとマキシマムリスペクトしてました。
これ見るだけでも行く価値あんじゃねって思います。
でも見終わったあと、もっと前半削れんじゃね!って思いましたが
監督は草刈民代の旦那だし見せたかったのかもね。
んで、後半にかけて役所広司が瀕死の状態になって
草刈民代が尊厳死させると。。
このシーンもかなりショッキングなんですよね…
んで、本映画の最大の山場。
大沢たかお扮する検事と草刈民代のバトル!
これたぶん30分ちかくあるんですけど
考えながら見るから全然飽きないし
大沢たかおの検事としての手段の汚さはあるけど
言ってることまぁまぁ正論やし
でも、草刈民代の医師的な見解もかなり妥当やし…
ってやってるうちに最後はあっけない
日本の司法の汚いやり口で終わるというね。
舞台となってるのが1997年で
日本でまだまだ尊厳死という考え方が
普及してない頃というのもありますが、
(最高裁での判例は出てるけどね)
今の時代になっても
この線引きへの明確な回答っていうのは出ていないように思います。
基本的には本人の同意、もしくは家族の同意が大前提だけど
いざ、そのときになって、過去に示した本人の意思が
そのときの感情とは思えない。
なぜなら人間誰しも死ぬ直前になったら、もっと生きたいと思うと
ボクは考えているからです。(エンディングノート見て以来)
しかも、家族の判断っていうけど
んなもん医師の誘導尋問的な要素は少なからず含まれているし。
その点が最後のバトルで死ぬほど議論される。
かなりデリケートな問題だけど、人間は必ず「終」を迎えるし
それを家族、それとも違う誰かに「信託」するのか。もしくは自分で決めるのか。
人生のどこかのタイミングで必ず考える話なので見て損はないと思います。

予告見たらラブストーリーとかなってますけど
そんなに甘いもんじゃねーよ、人間の生死。

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