2013年3月23日土曜日

横道世之介



レイトショーにて。
公開初日はTLでちょろっと話題になってるの見かけたけど
それ以降はあんまり評判聞かず…
今日も最終日ということもあいまって、空いてました。
予告見た段階では、ポップすぎるなーとか勝手に思ったけど
かなーり好きでした。
約2時間半あって退屈しそうなものの、全然飽きない。
映画自体のテンポ等も悪くないですが
なんといってもキャラクターの魅力。 コレにつきる。

長崎から出てきた大学生の横道世之介の物語。
彼と彼の周りの大学生活が約80%で、残り20%が彼を懐古する大人の話。
舞台が1987年から1988年という、まさにボクの生まれた年代。
冒頭で街の風景をセリフ無しで見せて
時代を観客に分からせるのは上手いなぁと。
(年代を特定できたのは、赤ちゃんの出生記録から)
物語全体の80年代感を構築したのはホントにスゴいと思います。
 彼の大学生活の描写が「桐島」的なリアリティを感じる場面がある一方で
結構ぶっとんだ設定もある。この2つのバランス感覚が好きでした。
この映画では横道の葛藤がほとんど描かれないのがウィークポイントかなー?
(難民のところぐらい?あそこも葛藤とは言いがたい)
だから成長物語としては機能してないように思えました。
でも、キャラクターの生きてる感をひしひしと感じたし
大学1,2年レベルで登る大人の階段のリアルさ。
つまり、そんなに大きく成長しないんだと。
あと甘酸シーンのつるべ打ちも特筆すべき点。
吉高由里子のMudererぶり。
まーここまでの話だと単純な青春ドラマでつまんなくなりそうなんだけど
ところどころで引き締めるのが横道を懐古する大人の話。
最初は単なる思い出の一部と語る当時の友人達が出てくるんだけど
途中である結末が挟まれたところで、物語全体のトーンに陰が差す。
それ以降、同じタッチで横道の大学生活が描かれても
その結末が頭の中で走り続けているから、味わいがビターに。
つまり、横道が超いいやつって描写に飽きた人でも
興味が持続できるような作りになっていると思います。
あとエンディングね。写真からの〜それをplay backしながら
余貴美子のナレーションは相当キマした。
今年見た中で多幸感っていう点では1番だし
見た人同士で色々語れる素敵な映画。

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