2013年4月29日月曜日

セデック・バレ



水道橋博士の番組で紹介されて、知って鑑賞。
ユーロスペースで見たんですけど
整理番号形式で結構後ろやなーとか思ってたら鬼混み。
最近観た映画の中で一番人が多かった。
全部で4時間半くらいある映画で
正直行くのを躊躇してたんですが、行って大正解。
めちゃくちゃオモシロかったです。
実際の事件をベースにしてる話で
日清戦争後、台湾が日本統治下になるにあたって
先住民vs日本軍という構図。
その先住民族のイニシエーションが首狩りだというね。
現代ではあまり想像つかないけど、冒頭で首を狩ることの意義が
ちゃんと説明されてるから、説得力ありました。
元々、何の不自由もなく暮らしていたのに
そこへ文明化という名の植民地化が行われる。
この映画を見ると、植民地化の実態
つまり、単純な制圧だけではなくて、言語、文化、生活様式が
すべて略奪されることの辛さがよく分かる。
侵略した側は変えたことで便利になったからいいじゃん。
っていうロジックだけど、先住民である彼らは必要としてなかったし
それによって失われた民族としての尊厳のほうが大切なんです。
こういった野蛮な侵略に対して
彼らなりの「野蛮」で対抗するのが最高でした。
首を狩ると聞くと単純に野蛮かと思う方いるかもしれませんが
この映画見て、どっちがヒトとして野蛮か考えてください。
とにもかくにもアクションがハンパねぇ!
いったいどうやって撮影してんねんというシーン多数。
前後半に別れているんですが
前半は侵略からの奪還で
後半は日本軍の攻撃にどうやって対抗したかが描かれる。
とくに後半の壮絶さは凄まじい。ベトナムでのゲリラ戦を彷彿とさせる。
基本的には飼いならされるぐらいだったら、死んだ方がマシ
→プライドを尊重するっていうのに感情移入できるんだけど
女の人や子どもにも適用するのが飲み込めなかったです…
あと死んでも祖先が虹の橋で待ってるから大丈夫みたいなのも
受け入れがたかった。しかも最後のシーンで
それが超ダイレクトに表現されてるのはファニーなんだけど
なんだかなぁって感じでした。
個人的には唯一日本軍側についた民族のリーダーのストーリーが好きでした。
pride or dieな価値観で主人公も葛藤していたけれど
1回裏切ってしまった彼にとっては
もっと辛いものになっていたのが、心に刺さりました。
彼はずっと生きること、仲間の命を優先していたけれど
最後にバトルするのは漢!って思いました。

日本人だけど、こんな事件があったことは全く知らなかったし
戦争の話だと日本人の被害者意識モロなものが多い中で
色々なことを考えさせられた良き映画でした。

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