2013年4月29日月曜日

The We and The I



ミシェル・ゴンドリー最新作。
2月くらいに予告編で見た段階で、これは間違いないやろなーとか
思ってたら、やっぱり最高でした。
ボクの中では彼の最高傑作です。
(ヒューマンネイチュア、恋愛睡眠のススメは未見)
 トーン的には「僕らのミライへ逆回転」に近かったです。
というのも舞台がブロンクスで、劇中でかかるのが
オールドスクールヒップホップ。さらに登場人物がアメリカの高校生。
そして、個人的に好きな設定である、限られた空間+会話劇。
好きになる要素しかない!
お話としましては、高校生が最終学期を終え
明日から夏休みっていう日の帰りのバスの車中。
そこで繰り広げられる高校生同士の様々な人間関係が描き出される。
そうです、あなたが今思い浮かべた「桐島、部活やめるってよ」の
US版とも言えるでしょう。(実際にそういう感じで売り出しているし)
アメリカのスクールカーストものって大量に作られていますが
(近年だとアメリカン・ティーンとか。超好きです)
この作品はそんな単純なものじゃなくて
相対的な人間関係を描いているのがポイントかなーと思います。
つまり、対人関係が一対一の関係で割り切れるものではなくて
その場の雰囲気に依存していることが、じっくり描かれています。
バスっていうのがミソで、最初はたくさん乗っていて
色んな人のストーリーが紹介されていくんですが
徐々に下車していく中で、この映画が誰の物語であるかが分かる
っていうのはおもしろいなーと思いました。
しかも、最初は高校生のしょーもないノリが延々ずーっと続く。
これがまぁオモシロいわ、くだらないわで
久々に劇場で大声だして、笑いました。(BIG-T最高!
特にフレッシュだなーと思ったのは携帯を使ったギミックの数々。
スマートフォンが普及した状況で高校生がどう活用しているかを
描いているのは初めて見ました。
携帯で撮ったであろう質の荒ーい映像が出てくるんですけど
そこにも必然性ができる、しかも、物語上で重要なファクターを占める。
後半にかけて、最初のバカなノリは生徒がどんどん下車することで無くなり
最後はかなりシリアスなモードになる。
「桐島」はかなり余白を設けた作りでしたが
本作はかなりダイレクトな形で本質をつきます。
要するに自分の確固たる理念とか考えが無く
他人を鏡として自分を認識してんじゃねえよ!っていうことだと思います。
あと同性愛者の話がカジュアルに入ってるのも
今のアメリカの空気を反映してるのかなーと思いますし
クレジット見てたら、名前と役名が一緒…
そうです、全員素人!もうビツクリしました。
それぞれの特徴を把握して、
適材適所で配役したミシェル・ゴンドリーの演出力。
もしくは各人の自力。いずれにせよ、恐るべし。

長々書いてしまいましたが、間違いなく今年ベスト3に入りました。
是非!

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