2013年7月15日月曜日

キッズ・リターン



大橋裕之氏の「遠浅の部屋」という漫画を読んだことをきっかけに。



むちゃくちゃ好きでした。。。超シビレタ。
北野武監督作品の中でも一番好きかも。
2人の高校生が主役で、まだ何者でも無い瞬間
そして、何者かになることへ努力することの尊さが
映画内で克明に描かれているんですね。
北野武にしか撮れない青春映画。

2人の高校生が主役。(金子賢と安藤政信 )
2人とも高校から半分ドロップアウトしちゃってて
何する訳でもなく、てきとーに悪いことして、高校生活を送っている。
そんな中で、ふとしたことをきっかけに
2人はボクシングを習い始める。
でも、金子賢は自分の才能の無さに気付いてやめちゃう。
ここから2人は別々の道を歩み始める。
これがねー辛いというか痛いんですよ。ヒリヒリ。
安藤政信は能動的にボクシング始めた訳でもないのに
変に才能があったから、続けてる。
一方で金子賢はどうしようもないから893になっちゃうし。 

18、19のころって自分は一体何者であるか?
という禅問答をする時期だと思うんですね。
オレは高校ではバスケと勉強がすべてだったから
ほとんど思考停止で何となく大学に入って。
その大学で周りに全く馴染めなかった。
あのときの感覚が映像化されたような、そんな感じでした。
「自分はこういう人間だ」って思える人が強いんだろうけど
そうもなれない瞬間は皆が味わったことがあると思うんです。
そして、気付くと社会の歯車の一部と化している。
それが良いとか悪いとかではないけれど
この現実を受け止めきれるかどうか。
とくに最近はSNSがあるから、そこで瞬間風速を吹かすことができれば
誰もが何者かになれる可能性は昔よりも大きい訳ですよ。
その分、あきらめきれない部分も多くなってる。
だけど、そこであきらめていいのか?
妥協で生きてもいいのか?ってことを問うてくる映画なんです。
リーマン→タクシーの運ちゃんで働いてる子のエピソードと
上述した2人のエピソードの対比で、痛烈に伝わってくる。

でもさ、オレ達もう終わっちゃったのかな?
バカヤロー!まだ、始まっちゃいねえよ!

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