2013年11月22日金曜日

フィルス



予告編は数回見てて、これはマスト!と思い、仕事終わりにキメました。
小説の映画化で、その小説の原作者はトレインスポッティングと同じ。
トレインスポッティングにはそれほど思い入れはありませんが、
とても楽しめました!見終わったあとの、この「感じ」は久々でした。

予告編から受け取る印象は汚職警官のクライムコメディですが、
後半はかなりシリアス調で、突き詰めれば「孤独」に関する映画。
主役の汚職警官役はジェームズ・マカボイが演じてるんですが、
役作りの度が過ぎてる!こないだ見た「トランス」や
「X-MEN ファースト・ジェネレーション」では
しゅっとした感じだったのに、原型が全くない…w
「ブルーバレンタイン」のゴズリングばり。

彼は警部補への昇進レースのまっただ中にいる。
そこへ殺人事件が起こり、事件を解決すれば昇進は間違いない。
この事件の捜査と昇進レース、マカボイの孤独を交えながら描いていく。
前半はもうえげつないくらい暴力・SEX・ドラッグ!

同じ土俵のやつを蹴散らすために、様々な裏工作するし、
警官という立場を利用して、めちゃくちゃな捜査するし。
理性のリミッターが振り切れていて最高。
やっぱ映画はこれだよ!
前半はそのめちゃくちゃな言動の中で、
奥さんの映像が挟み込まれたり、
顔色の悪い子どもがいたり、鏡の中の自分が豚に、
他人の顔が他の動物に見えたり。
ドラッグガンギメなので、単にその後遺症なのかと思いきや、
それだけではないことが徐々に分かってくる。
前半で笑えてたことが、笑えなくなるんですなぁ。
彼は自分以外の誰も信用していないがゆえに、人生が破綻していく。
この映画では、十字架を2つ背負わされてるけど、
誰だって人に言えなくて抱え込んで苦しむことはあると思います。
そんなときに友人や家族、恋人がいれば、緩和されるけど、
彼の周りには誰もいない。
唯一の友人であるフリーメーソンの同志さえも裏切るのは、
とても辛かったです。。(落とし前はつけるものの)

終盤にドンデン返しが起こったあとの展開は蛇足だったかな?
その展開自体は鬼畜演出でオモシロかった。
地獄を見せつけられたあと、救いの手が差し伸べられるのに、
その手で自らを追い込んでしまうのです。
ただ、スマートさに欠けるなーと。
でも、エンディングのかわいいブラックアニメでAll OK!
下品だけど、色々考えさせられる映画でした。

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