2013年11月27日水曜日

もらとりあむタマ子



山下敦弘監督の最新作。
苦役列車、マイバックページ、天然コケッコーなど
好きな作品が多いので、楽しみにしていました。
主人公のニートを演じるのは前田敦子。
苦役列車でも好演していた彼女が山下監督と
ガップリ四つに組んだ作品です。
過去の作品に比べると、幾分オモシロさには欠けるけど、
新しいタイプのアイドルムービーとして楽しめました。
前田敦子はアイドルとしてはアレかもしれませんが、
女優としては好きだなぁと思いました。顔・面・力!

タイトルにもあるようにタマ子というのが前田敦子で、
大学卒業したてのニート。出戻りで山梨の実家に戻ってくる。
両親は離婚していて、父親と2人暮らし。
彼女は好きなときに食べて、寝て、漫画読んで。
家事も父親任せ。まさに絵に描いたようなニート。
そんな彼女が家族、地元の人との関係性から自立に向かうお話。
前田敦子は最近まで日本のトップアイドルだった訳ですが、
本作での体当たりっぷりはハンパない!
上述したとおり、実家でぬくぬくするシーンが
映画の大半を占めてて、その自然体の演技というか、実在感たるや。
自分のことを棚に上げて、人のことについて小言を述べたり、
その一方で自分は特別な「何者」かであると考えたり、
モラトリアム期独特の部分がコミカルに描かれてるのは楽しい。
周りのキャラクターもよくて、特に写真屋の息子は
前田敦子との奇妙なバディ感込みでナイス!
なんといっても父親ね。この親子関係が本作のキモ。
表面的にはウザイ態度を取っていても、
ホントは好きな気持ちを直接台詞で描くのではなく、
細かい描写の積み重ねで描いていくのは素晴らしいです。
特に父親が女性と食事したという話が展開されるシーン。
その話を親戚同士でしているんですが、
前田敦子のリアクションにフォーカスしている。
あくまで彼女を中心とした周りとの関係性。
あとはメタ的というか、タマ子がアイドル志望だったり、
その履歴書の台詞とか。
それが前田敦子の心の声のように思えてくる。
決定的なのが、ラストのラスト。
エンドロールが終わるまで、席は立たないほうがよいです。
星野源によるテーマソングも良かった。
敦子好きはマストでしょう。

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