2013年11月6日水曜日

ムード・インディゴ うたかたの日々



ミシェル・ゴンドリー監督のフランス製作品。
ディレクターズカット版を見ようと思ったんですが、
時間が無くて、インターナショナル版で見ました。
The We and The I は間違いなく
今年ベスト10に入る出来の素晴らしい作品でしたが、
彼の作品をほとんど見ているので劇場で見ました。
いわゆるミシェル・ゴンドリー的なDIYタッチが
存分にぶち込まれてて、久々に見るとアガルなーと思いました。
恋愛睡眠のススメがLookは一番近いですね。
(原作があるらしいんですが、未読。)
主人公はニートで、ある程度のお金持ち。
パーティーで出会った女の子と恋に落ちて結婚する。
でも、新婚旅行で寝てるときに
肺に蓮の花が入ってしまい、病気になる。
その病気を治す方法が彼女の周りに花を置くっていうね。
ファンシー過ぎるー!!キュンキュンするー!!

冒頭からミシェル・ゴンドリー感がフルスロットル。
タイプライターがベルトコンベアで流れてて、
たくさんの人が流れ作業でタイピングして、本を作っている。
その作っている本というのが原作です。アヴァンギャルド過ぎるw
彼が住んでる家も超Cute!
廊下が電車の車両だし、いちいちキッチュでポップ。
執事の料理場面や配膳、蛇口からのウナギなどなど。
あげたらキリがないくらいギミックの数々。
この表現に乗れなかったら、かなりキビしいですね…
女性は「かわうぃぃぃ!」と思えると思います。
数ある中でも一番好きなのはクレーンで吊られたUFOに乗って
パリの街を周遊する初デート。超甘酸。
前半は多幸感に包まれてるんですが、
彼女が病気になってからの後半が辛い。
金もなくなってしまったし、働いたことないけど、
愛する彼女を救うために、必死で働く。
なかでも前半あれだけ多幸感を産み出してきた
ミシェルゴンドリー演出が逆に恐いものになりさえするというね。
土の上に寝転がって、タマネギみたいな銃の素を裸で暖めて
曲がらない銃を作るという仕事はシュール過ぎてキツいw
(何言ってんねんと思うかもしれませんが、まぁ見てください。)
彼女の病気は周りを枯らしてしまうため、
家も浸食されてくる訳ですが、次第にスクリーンが暗くなり、
最後はモノクロになってしまう。
このトーンの変化で彼女の病気の進行が伝わる演出は
上手いなーと思いました。
冒頭のタイプライター工場に彼が乱入して、
「彼女は元気になった」と書き換えようとする。
原作を変えることで彼女を救おうとするっていう設定は
とてもオモシロいけど、切な過ぎる!
音楽もDuke Ellingtonを大きくフィーチャーしてるのも
映画全体を包み込む心地よさ。
おもちゃ箱をのぞいて楽しんでたら、思いのほか重い作品でした。
女性にオススメです。

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