2013年12月21日土曜日

かぐや姫の物語



今年の映画は今年のうちに。
ということで、きっちり見逃さないように見ておきました。
僕らの世代は宮崎駿ジブリで育った世代なので、
高畑勳監督にそこまで思い入れがなかったのは、つい最近までの話。
「夢と狂気の王国」を見て以来、もう興味ありまくり。
ハヤオがここ10年近くヒット作連発してた中で、
イサオは本作を10年近く作り続けていたというね。
(風立ちぬ、かぐや姫見た人は「夢と狂気の王国」は必見です)
この辺ふまえて見ると、味わい深いし、

日本国民全員が知っている竹取物語を
こういった形でアウトプットするだなんて…

とんでもないものをオレは見ている!感を終始感じる作品でした。

ストーリーの概略は皆様ご存知のとおりで、
竹から産まれたかぐや姫を爺と婆が育てて月に帰る話。
これを葛藤をふまえた少女の成長物語、
ひいては人の生死の話にまで昇華させている。
婆の声は宮本信子がやってて、ナレーションも担当。
宮本信子のナレーション×少女成長物語といえば、
あまちゃんを想起し、パブロフの犬状態で涙腺ゆるゆる。
前半は山での原始的な生活の中で、かぐや姫が躍動する姿を見れる。
ふわっとしたタッチなんだけど、メリハリが効いてて、
生命力がみなぎった表現でした。
周りのカキワリの顔は適当に書いてるんだけど、
登場人物の表情はめちゃくちゃ豊か。
というか半分笑かしにきてんのか?と思えるくらい。
(子どもと爺の「姫!」のかけ声のくだりは爆笑!)
山にどんどん馴染んでいくんだけど、
後半は都へ引っ越すことになります。
はじめは広い家、綺麗な着物に喜ぶんだけど、
ノイズが排除された都での生活、
爺の言葉を限れば「高貴」な生活の中で、
生きているという実感を見失ってしまう。
どんどん都のルールの中に押し込まれていくかぐや姫の窮屈さ。
現在の社会は都に近い構造だから、前半の豊かさとの対比で、
「お前ら、その生き方でいいんか?」と問うてきてるかのごとく。
かぐや姫が我慢できなくて逃げる夢のシーンの
水彩画アニメーションは圧巻だったなぁ。
文明vs自然な構図が見えてきたわけですが、
そっからの落とし方が、もう壮大というか。
画の力も伴って、圧倒的過ぎた!
うおーと思いながら、捨丸と街を浮遊するシーンで
理由も無く、ぼろぼろと泣いてしまいました。
あんまり咀嚼しきれてないけど、
生きてることの豊かさを感じられる作品でした。

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