2013年12月4日水曜日

四十九日のレシピ



公開当初から気になるなーとは思いつつも、後回しにしていました。
監督が「ふがいない〜」のタナダユキと知り、これは!
と思い、急いで見たという感じです。
その結果、特大ホームラン!少し乗れない部分もあったけど、
物語のテーマ性にヤラレてしまった。。。
そのテーマはずばり「母」です。「母性」といってもいいかもしれない。
さらに言えば、子どもを産まなかった女性の人生、生き方の話。
この年齢になると、必然的に結婚の話になるし、
僕の周りですでに結婚している人も多く居ます。
昔よりも身近な問題として迫ってきている訳ですが、
女性は子どもを産むということを念頭に置くと、
身体的な限界を考慮しなければならない現実がありますよね。
あと大っぴらには言われてないけれど、
子どもを産まない(産めない)とか結婚していない人を
変だと思う風潮さえも存在する。
この辺りについて考えさせられる映画でした。

永作博美が主人公で、彼女は結婚してるんだけど、
子どもができなくて、懸命に努力をしているのに。
夫の原田泰造が不倫相手を妊娠させてしまう。
それをきっかけに実家に戻ることにした訳ですが、
すでに彼女の母親は亡くなってしまっている。
この母親は継母で、永作博美と同様子どものいない人生を生きた女性。
彼女は半分遺書のような形で、
暮らしの知恵手帖みたいなのを残していて、
そこには「四十九日は大宴会」と書いていた訳です。
この彼女のメモに従って、父の石橋蓮司、永作博美、
母が働いていた更生施設で更正した二階堂ふみ、
母の働いていた工場の元同僚で日系ブラジル人の岡田将生と
四十九日に向けた準備をしていく。
その四十九日に至るまでに、父と母の出会いや、
博美と泰造と不倫相手の吐きそうな修羅場ありーの。
この辺の内容、そのトーンは全く予告で見れなかった部分ですが、
最高に好きでしたね〜
「ふがいない〜」にも通じる世界に存在する現実を突きつける。
前半の博美は明らかに子どもができなかったこと、
それがきっかけで半ば離婚してしまったことを辛く思っている。
でも、これまで向き合ってこなかった継母の人生や人柄を
後追いながらも知ることで、
自分の人生を今後どういう風に生きていくのかを
見つめ直していくのはとても良かったです。
劇中でセリフでも言われていますが、
子どものいない母親のメモリーというのは希薄なものになりがち。
それを分かりやすくする演出として、
四十九日の出し物で、母の年表が出てくる。
最初はなかなか埋まらない。
子どもではなかったけど、母が携わってきた人達で
その年表が埋められる瞬間に…号泣メーン!
当然、血のつながった子どもとの思い出というのは
かけがいのない思い出であることは間違いない。
でも、その子どもがいないからって人生がダメ!
って言われる筋合いはねぇよ!という強烈なメッセージは
とても共感しました。
淡路恵子がその子ども絶対主義のイヤ〜なババアを演じていて
素晴らしかったなぁ。(褒め言葉)
乗れ無かった部分というのが岡田将生演じる日系ブラジル人ねー
原作に出てきたキャラなのかもしれないけど、浮いてしまってる。
(似たポジションの二階堂ふみは明るさと同時に、
そこに影が見えるから、気にならなかった。)
思い切って省いてもよかったかなと思います。
最後の終わり方も超好きで、永作博美の顔だけの演技で
完全にkillされてしまいました、、、
自分主体で生きるのも楽しいですが、誰かと関わりながら、
ときに自分が他人のロイター板となり、
その人のために生きる人生は尊いし、愛しい。

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