2014年1月27日月曜日

オンリー・ゴッド



「ドライブ」コンビ、レフン×ゴズリングということで公開初日に。
かなり前から情報を耳にしていて、プッシャーシリーズも見たりして、
超楽しみにしつつ、鑑賞いたしました。
想像していたものと全く違う作風でしたが、楽しめた!
というか、こんなに息詰まることないわ…って感じ。
人によって反応は全然違うと思います。
ドライブ的なものを求めると間違いなく事故ります。
物語自体が相当研ぎ澄まされていて、台詞の少なさも特徴。
さらに、ドライブのときに見せた赤/青の色彩使いを見せてくれる。
僕は物語のプロットを追って、映画を楽しむことが多いので、
この芸術性全開なのは…という場面もあったのは事実。

舞台はタイで、ゴズリングがボクシングのコーチしながら、
コカイン、ヘロインをさばいて生活している。
ゴズリングには兄貴もいて、同じような仕事している。
その兄貴が売春宿で女の子をレイプしたあげく、
殺したしまったことで、報復されて殺される。
そこへ母親がアメリカからやってきて、
復讐を企てるものの…という話。
本作のなによりもオモシロいのは、
警察側にいる師範代みたいなおっさん。
W主演といっても過言ではないくらいのインパクト。
警察側の人間なんだけど、超法規的な存在で、
残虐行為や殺人行為など、蛮行の限りを尽くす。
この無双っぷりが見てて楽しかった。
しかも、残虐行為のあとはラウンジみたいなところで、
必ずカラオケする。それを警官が見守る。シュール過ぎる!
いかんせん全体的に抽象的です。
プッシャーのドキュメンタリーでも言ってましたが、
彼の本当にやりたいことはこういった芸術性の高い作品で、
ドライブやプッシャーのような、いわゆる娯楽作品は、
あくまでステップでしかないのかも…
にしても、本作におけるゴズリングのナヨナヨっぷりはな〜
去勢されっぷりよ…マザコンでもあるし。
ビッチ全開の母親に
「兄が殺されたのに、復讐したいとかない訳?!
チンコも兄に比べて小っちゃいしね!」と言われる始末。
そこからカラオケオジさんに素手で仇討ちを挑む。
結果、ボコボコにされちゃうっていう。。
本人には勝てないから、家族皆殺しや!ってなるけど、
直前でチキっちゃう。復讐は復讐を生まないってのは分かるけどさー
と色々言ってきましたが、本作の生む異様な緊張感は
他の映画で見たことが無いかも。
徹底的に設計されたショット、カラオケおじさんの暴力性。
息するのも辛いくらい。
因果応報という誰でも知っている、
世の中の心理を突きつけられるのも辛い。
しかも、それがドラマ性を一切排除された、
ミニマルな形で見せつけられる。
好き嫌いはあるかと思うけど、そこも含めて観て楽しめる映画。

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