2014年2月2日日曜日

アメリカン・ハッスル



デヴィッド・O・ラッセル監督の最新作。
昨年公開された「世界に一つのプレイブック」が大好きだったので、
楽しみにしながら、見てきました。
前作とも通ずるコメディ要素もありつつのクライムもので、
ポイントポイントで笑かせてくれるし、全体的にも楽しめました。
ただ、ちょっと色々詰め込みすぎてる感も多少あるかな…
丹念なキャラクター描写はさることながら、
色んなタイプの面白みが全部乗せで、
見たあとに残る疲労感が残るくらいのvolume.
この疲労感は嫌いじゃないし、何回も見たくなる作品でした。

物語の大まかなあらすじとしては、
詐欺師タッグが捕まり、そこから無罪放免となるため、
4人の詐欺師を逮捕する捜査協力をFBIに行うものの…って感じ。
いかんせん、この映画に出てる俳優が大好きだ!それに尽きる!
時間かけて、それぞれの過去、内面を描写してる
っていうのもあるし。
クリスチャン・ベイルのえげつない役作り。
エイミー・アダムスのエロ可愛いところ。
ジェニファー・ローレンスのCrazyさ。
ブラッドリー・クーパーの愛すべきバカさ。
どれを思い返しても顔がニヤニヤしちゃう。
一番好きだったのはジェニファー・ローレンスかな〜
ちょっと頭おかしい女性役やらせたら、
右に出るものいないぐらいの無双っぷり。(褒め言葉)
詐欺師の話でクライム要素も勿論あるんだけど。
それよりも普遍的な「嘘」の話になっていました。
冒頭、クリスチャン・ベイル演じるアーヴィンが
髪の毛をセットするシーンがあるんですが、
それがテッペンハゲ隠し。
さらに、エイミー・アダムス演じるシドニーは
イギリス人であるという嘘をつく。
この辺は分かりやすい嘘で笑えるんだけど、
物語が進んでいくにつれて、笑えなくなってくる。
なぜなら、嘘をついていない人間なんていないし、
皆生きていくために少しでも嘘をついているから。
この要素のじわじわ来る感じが好きでした。
はじめが4人の詐欺師を捕まえるだけだったのに、
ブラッドリー・クーパーのちょっとした出世欲のために、
小さな嘘を繰り返すことで、事態はどんどん大きくなっていく。
嘘から産まれる悲劇。
そのケツに待っているのが、アメリカのカジノを取り仕切る男。
この役をデニーロがやってて、最高だったなー
分かりやすい、バレる/バレないはここだけだったけど、
問答無用でアガらざるを得ない。
あと悲劇性という意味では、
アーヴィンと市長の関係性が一番辛かった。
市長は悪いことしてる意識はあるものの、
根は良い人で、あくまで市民が幸せになればと願った上での行動。
その純粋な気持ちを踏みにじってしまうことへの葛藤。
壮大な嘘つき合戦の結末はちょっと味気ないというか、
もうちょっと上手く見せれなかったのかなーとは思いました。
にしても、デヴィッド・O・ラッセルの描く
人間模様は無類にオモシロいし、大好きです。

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