2014年4月22日火曜日

チョコレートドーナツ



水道橋博士の番組で紹介されてて、オモシロそーと思ってたら、
天下の「王様のブランチ」でLilico氏が紹介した際、
号泣してしまい、紹介がままならなかったらしい。
いかほどのブツなのか確認するため鑑賞。
確かにこれは「ウル」くるなーと思いました。
僕は泣くというよりも、
もっと複雑に様々な感情が沸き上がった感じでした。
舞台は1979年のアメリカで、主人公は1組のゲイカップル。
彼らがダウン症の子どもを引き取り、育てようとする、
身障者と同性愛者という2つのマイノリティにまつわる実話ベースの物語。
ルディという主人公の片割れはゲイバーで、
女装ショーを行って生計を立てている男。
そこへ検事のポールという男がやってきて、
2人はあっという間に付き合うようになる。
ルディの住んでる部屋の隣には、
ある家族が住んでいて、いつも爆音の音楽が流れている。
母子家庭で母親がJunky。
そこに住む子どもがダウン症のマルコ。
誰から見ても明らかにhardな状況において、
母親が薬物で逮捕される。
このままだとマルコは施設行きという中で
子ども好きなルディは何とか救おうとポールに相談。
彼は法律の知識を生かし、監督権を母親から譲り受けて
ルディ、ポール、マルコの共同生活がスタート。
別に同性愛者への差別意識がある訳じゃないんだけど、
どこか潜在的意識の部分で、
「本当に大丈夫なんかよ」って思うんだけど、
2人のマルコへの愛情は大きく、それは親子そのもの。
これまで粗雑に育てられてきたマルコは、
2人の最大限の愛を受けて、幸せな共同生活を送る。
この様子を8mmで見せてくれるんですが、その多幸感たるや。
その幸せな生活も長くは続かなくて、
ポールとルディの関係性が世間にバレて、
ポールが仕事をクビになるのと同時に、
マルコも施設に引き取られてしまう。
後半はマルコをなんとかget backしようとする話。
観客はマルコが2人のもとで心底幸せな生活を送っているのを
知ってるから、当然2人といたほうがいいよね
という気持ちになっている訳です。
しかし、時代は1979年。
ハーヴェイ・ミルクの存在があったりしますが、
まだまだ同性愛者への差別は露骨に存在する。
マルコがいかに幸せだろうが、2人が同性愛者であるという事実。
この1点ですべてがひっくり返ってしまう。
ポールの裁判所での熱い叫びには胸を打たれたな〜
なんとかマルコを引き取りたい2人は、
黒人の凄腕弁護士に弁護を依頼するものの、
母親の親権が復活され、手の打ちようがなくなってしまう。
ここでの弁護士とポールのやりとりが印象的で、
「正義なんてないんだ…」というポールに対して、
「そんなの最初からないけど、やるしかないんだよ」ってね。
後半のマルコのシーンは同性愛者云々は関係なくて、
皆が平等に持つべき人権の話。
さらに感じたのは融通のきかない社会システムの歪さ。
そして、システム自体は人間が作ったのに、
それに隷属するしかない様は悲しくもあるんだけど、
ふと自分のことを考えてみると、
思考停止してる瞬間も多いなぁと。
果たして自分の権利が犯されたときに、
ここまでできるのか?っていう気持ちになる。
でもシステム側にいると、その杓子定規は楽なんすよねー
結局それが最悪の結果を招くんですが…
あと言及すべきなのは、ルディ演じるアラン・カミングの歌。
本当にどれも素晴らしくて、特にルディが初めて
ラスベガスで歌うシーンが相当グッときたなー
泣ける!みたいな宣伝されてるけど、
もっと深く多層的に描いている作品だと思います。
東京のみですが見られる環境あれば、どうぞ!

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