2014年5月2日金曜日

とらわれて夏



ジュノ、マイレージ・マイライフ、ヤングアダルトなど、
好きな作品が多いジェイソン・ライトマン監督最新作
ということで公開初日に見てきました。
マジでWhat's happening to Jason Reiteman?!
っていうくらい、過去作と色合いが異なりました。
これまでは全体的にコメディタッチな中で、
ときにシリアスさが垣間見えるような作りだったのに、
本作は重厚な文芸作品になっていました。
実話ベースの原作ありきってことなのかもしれません。
面白かったけど、期待してものと違うかったので、
多少のガッカリ感は否めないよね…
時代は1987年、アメリカの田舎町に住む家族と
1人の脱獄犯が主な登場人物。
この家族は母1人子1人の母子家庭で、
彼らがスーパーで買物をしていたところ、
脱獄してきた受刑者に絡まれて、
犯人を一日だけ自分たちの家に匿うことに。
はじめは脱獄犯ということで、
2人とも怯えていたんだけど、
危害を加えてくることはなく、むしろ優しい。
女手1人では難しいであろう家や車の修理、
あげく料理まで作ってくれる。
それらを1人でこなすのではなく、
子どもに教えながら、やってくれる。
一方の母親の方もバツイチで、こんな田舎町に住んでたら、
一生一人やと思っていたところに、脱獄犯といえども自分のことを
大切にしてくれる人が現れたことで彼に心酔していく。
つまり、これまで失われていた夫、父の機能を
脱獄犯が果たしていきます。
物語の合間には脱獄犯の過去が挟まれて、
彼が極悪な犯罪者というわけではなく、
ある種事故のような形で殺人を犯してしまったことが
分かるような作りになっています。
物語全体が子供の回顧形式で語られるんですが、
中学1年直前ということで、
性への興味がビンビンで男の萌芽を迎えている。
それに脱獄犯との出会いが加わったことで、
徐々に一人前の男として成長していく過程が興味深い。
ボニー&クライドのくだりは最高でしたね。
後半になると母親の過去も明らかになってくる。
母役をケイト・ウィンスレットが演じてるんですが、
レボリューショナリー・ロードばりの
不幸女性演出で、やっぱハマるな〜と思いました。
その描写に一切の手加減がないのも、
彼女があの役をやってるからこそ。
脱獄犯と母親の2人共が子どもという存在に、
ある種振り回されてきた人生がゆえに、
脱獄犯と子どもの話をしたときの、
彼のすべてを包み込む優しさは素晴らしかったなぁ。
終盤の謎のトビー・マグワイアの無駄使いと、
そこはかとないHAPPYエンディングはフーンって感じでした。
メロドラマが好きな人にはオススメです。

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