2014年5月2日金曜日

そこのみにて光輝く



テアトル系の映画館で鬼プッシュされまくってて、
10回以上予告編見たので、さすがに見ない訳いかないなー
と勝手に思い、見てきましたよ。
佐藤泰志原作ということで、ある程度は覚悟してたんですが、
なかなかにheavyで見終わったとも引きずるような作品で、
久々にこの感覚きたな〜って感じでした。
(この前に見たのがアメコミ2連発っていうのもありますがw)
僕は実際に田舎に住んだこと無いけど、
あの村社会な雰囲気、抜け出せないガンジ絡めな様子は
見てて辛かった。逃れられないカルマ。
しかも、場所だけではなく「家族」という切っても切れない
最小単位の「社会」との関わり方まで
深く考えさせられる作品でした。
綾野剛演じる達夫が主人公で、仕事は岩の掘削業。
ただ、ある事故をきっかけに仕事を休業している。
その事故で同僚を1人なくしている。
直接、自分が原因となった訳ではないんだけど、
自暴自棄となり、パチンコ、酒に溺れる毎日。
そんな中で菅田将輝演じる拓児と出会い、
家を訪ねたところ、姉である池脇千鶴演じる千夏とも出会う。
ここの家族は父、母を加えての4人暮らし。
父は脳梗塞で寝たきり。母は介護で父に付きっきり。
拓児は仮釈放で、保護観察下にある。
この状況下で千夏が家族の稼ぎを
すべて担っていて、売春もしちゃってる。
しかも街の有力者とも不倫関係でズブズブ。
それぞれが人生に希望を見出せない中で、
お互いを愛することで人生に何とか向き合っていく姿に
胸を打たれたし、色々と考えさせられました。
何と言っても前述した3人の俳優を含め、
本作の役者陣の演技は凄まじいものがあると思います。
すぐそこにある実在感も去ることながら、
物語全体の閉塞感がビシバシ伝わってきました。
主演の2人が本当に素晴らしいんだけど、
なんと言っても菅田君が本作のMVPだと思っています。
人懐っこくて、遠慮がないんだけど、
それがいい方にも悪い方にも転がっていく姿は
思春期独特のニュアンスも含め、
あぁ…と劇場で声をもらすくらい痛々しい。

全体を通じて思ったことは
最初に書きましたが、家族とは?っていうことです。
結婚するということは当人同士だけではなく、
その背後でもあるそれぞれの家族を
受け入れることでもあるよなーと
改めて考えさせられました。
終盤のナレーションと現実のギャップは
まさにそれのことでしょう。
いや、たとえ救い難いものがあったとしても
「そこのみにて光輝く」んだから、
人は誰か共に生き、家族を持つんだなと。
神々しきラストショットは是非劇場で!

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