2014年5月11日日曜日

WOOD JOB 〜神去なあなあ日常〜



ウォーターボーイズやスイングガールなど、
青春映画クラシックを産み出してきた矢口監督最新作。
アカデミーナイトっていう宇多丸師匠の番組でも
ずっと特集されていたので見てみました。
結果、むちゃくちゃオモシロかった!
映画館で声だして笑った回数は今年ダントツ。
三浦しをんの小説が原作ですが、
昨年の「舟を編む」に引き続き相性良い感じ。
本作はテレビ資本の映画ではあるんだけど、
それが一概にダメって訳ではないことも改めて。
銀の匙に構造としては近いんだけど、
本作のほうがワビサビ効いてて好きです。
染谷翔太が主人公で、大学受験に失敗した18歳。
彼女にもフラれた彼は街で見かけた長澤まさみが
表紙のパンフレットに惹かれて林業の道へ。
はじめは若者っぽい態度で、
完全に林業を舐め腐ってるんだけど、
村の人々と打ち解けていく中で、
林業の奥深さ、かっこよさに目覚めていく。
物語全体の骨子が若者のイニシエーション物語なんだけど、
そこかしこに強烈なブラックジョークが
ぶち込まれてるのが特徴です。
sexualなものやババアネタ、動物ネタまで。
映画で見てオモシロいのと、
TVのバラエティでオモシロいことの違いは言われて久しいですが、
きっちりボケ倒してきたのはホント最高だったなぁ。
(逆にこのボケに乗れないとしんどいかもしれません…)
林業という仕事の描写も興味深くて。
特に親方である光石研が車で語るシーンは、
考えれば当たり前の話なんだけど、
すべてが加速化している今の社会だと
考えられない時間スケールの仕事なんだなぁと思いました。
あとスローライフっていうサークルの
大学生が村にやってくるシーンも好きです。
上辺だけこそげて気持ちよくなるゴミみたいなやつらは
地獄に堕ちて死んでしまえといつも思うんですが、
染谷君がきっちり落とし前つけてくれてて最高っした。
木を切るシーンは幾度となく出てきますが、
スタント無しで役者の人達がガンガン切ってるから、
ワンショットで押さえた画の迫力がありました。
配役もホントに素晴らしくて、出ているどの人も愛おしい。
特に伊藤英明は10億点!っていうくらい良かった!
(マジックマッシュルームとか言ってバカにしてゴメン…)
不器用なんだけど、仕事熱心で昔ながらのアツい男。
その姿は完全に山猿でしかない。
走ってる車に乗り込んでくるシーンが大好き。
長澤まさみは可愛いんだけど、関西弁が今イチな感じが悔やまれた…
あと山の神の描写もオモシロくて、
日本人は明確な宗教を持ってる人は少ないものの、
実体の無い神に対する敬意はある。
これは日本特有のことだと思うし、
海外の人が見たらどう思うのかな〜と思ったり。
何といっても終盤の祭りシーンですよね、本作は。
よくOK出たよな〜と。完全にモロ出しで挿入ってことですからw
もしかしたら、それは単調で閉鎖されたものだとしても、
本人が好きになれるかどうかが一番大事なんだな〜と思いました。
偏見持ってる人でも是非見てみてください!

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