2014年6月22日日曜日

私の男



浅野忠信×二階堂ふみ×熊切和嘉で映画撮影開始!
という記事を秘宝で読んで以来、楽しみにしていた作品。
劇場で予告編を一回も見ないという、
相当フラットな状態で見れたこともあり、相当オモシロかったです。
熊切監督の前作「夏の終り」もかなり好きだったんですが、
本作は更にボクの好きな要素を足されている印象でした。
ホントに二階堂ふみ無双といいますか、
相変わらず映画ばえする女優さんだな〜と改めて。
彼女が出てれば、一定以上のクオリティが
保証されるといっても過言ではないくらい。
本作は近年の重め家族映画の系譜に名を連ねるだろうクラシック。

主人公は二階堂ふみ演じる花と、浅野忠信演じる淳吾。
花は幼い頃に家族全員が地震による津波で亡くなってしまう。
孤児となった花を、地震の避難所で出会った淳吾が引き取ることに。
これだけ聞くと美談のように思えるんだけど、
年月が経つと2人は親子であり、
なおかつ男女の関係という近親相姦の物語です。
冒頭いきなり流氷の中から、
二階堂ふみが現れるシーンでガツンとやられる!
そこからは幼い頃の花と淳吾の出会い、
時系列順に2人の関係が描かれていく。
舞台は北海道の田舎町(奥尻?)で、日本独特の村社会。
説明描写は少なくて、状況を行間から読み取るミニマルな作り。
はじめは何の変哲もない親子に見えるんだけど、
徐々に「なんか変だな〜」と思わせる描写が増えてくる。
その描写の数々が素晴らしくて最高でした。
花の淳吾の彼女に対するリアクションとして、
「美人薄命って言ってみて♡」とか。
あと宴会場の2階でのイチャツキね。
完全に指がアレにしか見えないw
(指舐めはその後も象徴的に使われています。)
淳吾の彼女が去ったあと、2人の関係性は加速していき、
ある朝のシーンで決定的瞬間を迎える。
つまり、2人がセックスをする。
これがまたエロいんだな〜
2人の色気に加え、血の演出も加わり、
本作における2人の関係性を最も象徴するシーンとなっていました。
ただね。一言いいたいのはビーチクですよね。
前半に淳吾と元カノのセックスシーンがあるんですが、
そこでは元カノのビーチクがモロ出しなのに、
なんで花のビーチクは映さない訳?!
プラトニックな関係ならまだしも、
ガンガンなんだから、勇気もってビーチク出そうよ!
と思いながら見ていましたw
このセックスを目撃していたお爺さんを
花が間接的に殺してしまうことで事態は急転。
逃げるように東京のボロアパートへ移住することに。
花は高校生になってるんだけど、
2人の関係は閉じてより強固なものになっていく。
そんな生活を送っている中で、
花の殺人事件の真実を掴んだ男を
今度は淳吾が殺してしまう。このシーンが相当攻めてて、
クリームシチューぶっかけてからのぉ〜ノド輪かっさばく!
殺人シーンがやたらリアルな上に、
それを直視させるのが最高でした。
これ以降関係性が逆転し、花が淳吾を養うようになる。
花には恋人ができるんだけど、それを高良健吾が熱演。
浅野忠信×高良健吾のシーンは5億点!
花に男を寄せ付けないための行動なんだろうけど、
マジ最高だな!と思いました。
からの銀座を闊歩する淳吾の、
文字通り水も滴るイイ男っぷりよ…
この2人は家族を持ちたい、愛したい
という点では合致してるんだけど、
それがボタンのかけ違いでズレていく。
でも、お互いが唯一無二の存在であることに変わりはない。
その辺のバランスが好きだったな〜
原作も読み始めたので、映画と比べながら楽しみます。

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