2014年7月13日日曜日

サード・パーソン



ポール・ハギス監督最新作。
過去作コンプしてから見たかったけど、
間に合いそうになかったので、
代表作「クラッシュ」のみを見て挑みました。
映画の構造はクラッシュにかなり似ていて、
今度は街も異なり、複雑さが増しています。
見終わった後に、「あれがあれで...?」という
見る側に解釈を残すような形なのがオモシロかった!
本作はパリ、ローマ、NYが舞台となっていて、
主に男女関係をメインに話が進んでいきます。
パリではリーアム・ニーソン演じる作家と
その奥さん、作家志望の愛人の間の色恋話。
ローマでは半分詐欺師の男が、
ロマ族の女性が抱える問題を解決しようと画策する
割とサスペンス要素強めの話。
NYでは別れた夫婦が親権を争う物語。
この3つの話が並行して描かれます。
非常に大雑把ですが、
通底するテーマは「愛」やそれに伴う「後悔」
登場する人物は皆それぞれ問題を抱えながら生きていて、
それを互いに埋め合うように物語は進んでいくんだけど、
なかなかうまくいかないのが現実。
ほんの少しのすれ違いで事態は悪化していく様を
いずれの話の中でも見せられる。
そのすれ違いの象徴となるのがメモ。
3つの物語のいずれにも登場するんだけど、
本作の磁場が少しおかしいなと思い始めるポイント。
クラッシュみたいに、それぞれの物語をパズルのように、
カチッとハメるというよりも、終盤までふわ〜と臭わせる程度で、
最後に畳み掛けるように終結させる作りでした。
まー組み合わせていくのも醍醐味なんですが、
なんといっても1つ1つの物語がオモシロくて、
そのテーマで1本映画撮れますやん!ていうくらい濃い。
説明描写はないながらも、状況を把握できるのは
脚本がいいからなんだろうな〜と。
前半はいずれの物語も色恋の要素強めなんだけど、
後半では親子問題がフォーカスされていきます。
いずれの主人公も親としての責任を果たせなかったという
背景が分かってくるんですが、贖罪として
何ができるのか…みたいな話になっていく。
それに加えてパートナーに対する信用の話にまで派生と
もう考えるので、お腹いっぱいでした。笑
最後は場所、時間を超えて一気に収束する混乱させられる
エンディングでございました。
ポール・ハギスの過去作をdigginしていきたいなー
と思う次第です。

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