2014年7月22日火曜日

複製された男



大阪帰省時にrakawa先輩と見てきました。
予告編見たときもおもしろそうだったし、
人の心を失った先輩が前日に見てて、
激賞してましたので、かなり楽しみに鑑賞。
今年見た中で最恐のエンディングだし、
物語全体の起伏は少ないものの、
見るものの心を掴む歪な演出の数々は素晴らしかった!
監督はドゥニ・ヴィルヌーブ。
以前に紹介した「プリズナーズ」と同じ監督です。
そして同作でマッチョ警官を演じていた
ジェイク・ギレンホールが主演。
ここ5年くらいの彼の出てる映画のハズレなし!
といっても過言ではなくて、
本作もまさしくその系譜に並ぶでしょう。
ジャンルはミステリーサスペンスで、
派手なことは最後の方まで起こらない。
けれど、数々の印象的なショット、台詞。
心にしこりのように残っていき、
ラストでとんでもないブッ込みが!
普通なら「B級映画か?!」とでも言いたくなるくらいの
強烈さなんですが、伏線に次ぐ伏線が脳内で自動再生。
しばらく本作のことしか考えられなくなる中毒性。
多様な解釈を生み出せる形なので、
見た人同士で話すのも非常にオモシロい。
公式サイトでネタバレ全開で、
語り合うフォームまで用意されてました。
少しでも前情報を入れて見てしまうと、
映画のオモシロさが激減してしまうタイプのやつなので、
これから見る予定の人はそっとウインドウを閉じてください。

ギレンホール演じるアダムという大学教員の話から物語は始まります。
大学で講義して、帰って彼女とSEXして寝るという
非常に単調な毎日を送っている。
ある日、同僚に映画を薦められて夜中に見てたところ、
自分と瓜二つの男の姿が映画に出てるじゃあーりませんか。
そこから、そのドッペルゲンガーの俳優を探し当てて、
2人が面会するものの…というお話です。
サスペンスなんだけど、上映時間は90分というタイトさ。

Chaos is order yet undeciphered
カオスは解読されていない秩序という言葉、
3分程度の変態クラブの映像が冒頭に出るんですが、
結局その言葉は本作を象徴するもので、
見終わったあとに頭にこびりついて離れない。
単調な生活を紹介する中でも、講義の内容が印象的だったり。
この辺から、本作は全体には単純なお話だけど、
細部にフォーカスして見とかないと思わせる作り。
そんな観客に気持ちに呼応するように、
象徴的なショット(特に街ね!)、台詞、設定が次々に放り込まれる。
時にこれみよがしに、時にさりげなく。
世の中に3人いると言われるドッペルゲンガーの話かと思いきや、
中盤に2人が出会った段階で、あれ変だなーと思わせる。
終盤はえっ、えっ、えー!!って感じでした。笑
見終わった感触としてはヒッチコックの一連の作品、
サイコやめまいに近くて、
その21世紀アップデート版のように思いました。
劇場で見て皆で語り合いたくなる傑作!

ちなみに見終わった後、為になったリンク。
人の心を失った先輩のブログ→リンク
かなり明解な解釈が読めます→リンク

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