2014年8月23日土曜日

ローマ環状線、めぐりゆく人生たち



ベネチア映画祭で金獅子賞に輝いたドキュメンタリー
ということで見ました。
正直なところ、あまりにも単調で楽しめなかったです…
おそらく、これは優れた小説の表現を楽しむかの如く、
鑑賞すれば、初めて意味が立ち上がり、
感動するタイプの映画だと思います。
舞台がローマの環状の高速道路で、夜の美しさ、
登場人物のさまざまなバックボーンなど、
楽しめる要素はあるんだけど、
それぞれが表面上は一切交差しないから、
なんか退屈なんですよねー盛り上がりがないというか。
撮り方がフィクションっぽいところや、
それぞれの人物のフィクション性もあいまって、
ドキュメンタリー感が希薄で、夢か現かという点は興味深い。
ローマの環状高速道路の周りに住む人達の話で、
6人くらいにフォーカスして交互に語っていく。
前述した通り、話に起伏は無く、
どこにでもいる市井の人々の生活に密着して撮影されています。
ヤシの木の害虫を研究しているオジさん、ウナギ漁のおじいさん、
団地に住む父娘、没落貴族、救急隊員などなど。
話に魅力はないものの、1人1人の内情はオモシロい。
害虫研究のオジさんは結構象徴的で、
この人が語るのは害虫の話なんだけど、
1つの都市論のように聞こえてくる。
ヤシの木の害虫というウルトラニッチから、
救急隊員という最前線で誰かに役立つ話まで
振れ幅があることで、同じ街に住んでいても
様々な人がいるなぁという至極当たり前なことを思ったり。笑
没落貴族の話は物悲しくて、香ばしさがありました。
1個1個が平坦で、つながりが無いので、興味が持続しないんすよね…
ストーリーの裏読みや映像から意味を読み取るのにも限界あるし、
こういった観察スタイルは対象を1つにしてないと、
おもしろくないのかもなーと思いました。
ただローマという街の雰囲気が、僕達日本人のような外部の人が
イメージするものだけじゃないという点では興味深いです。
ある程度のリテラシーが必要なのかもしれませんが、
興味ある人はどうぞ!

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