2014年8月5日火曜日

怪しい彼女



韓国での大ヒットの噂を聞きつけて。
なんといっても主演がサニーで好演してたシム・ウギョンで、
監督がトガニのファン・ドンヒョク。
トガニが凄惨な実話ベースだったのに対して本作はコメディ。
これらの要素があいまったら、どうなるんだ…
という怖いもの見たさの気持ちと共に鑑賞しました。
オフビートなコメディとしてしっかり笑わせてくれるし、
ラストはきっちり泣かされるしで、映画見たな!
という感触を久々に味わいました。
銀座のみゆき座で見たんですが、韓流ブームの熱は根強く、
劇場はいっぱいだったし、全体のアットホームさもナイス!
1人のおばあさんが主人公。
早くに夫を亡くし、息子を立派な大学教授に育て孫もいる。
典型的なおばあちゃんで小言が多く、息子の嫁には厳しい。
その嫁がストレスによる病で倒れてしまう。
おばあちゃんを施設に入れてしまおうかと話になる中で、
ある写真館で写真(遺影)を撮ったところ、
ぴちぴちの20歳に若返っとるやないか!
もともと歌が上手かったこともあり、
孫のバンドとともに歌手への道を突き進みつつ、
プロデューサーとの恋など、
2回目の青春を謳歌するも…という話。
前半はおばあちゃんの背景説明で、
ホント「うるせーなー!」って感じ。笑
ずっとしゃべってるし、小言ばっかり。
(大根と煮魚のくだりは最たる例)
このババアがシム・ウギョンになるというね…
中身そのままで、あの見た目というギャップがとにかく最高!
年代ギャップものを1人で体現する演技力は完全に脱帽。
言葉はもちろん顔面力とでも言うべきか、
たたずまいまでもババア。最たる特徴が歌ね。
物語を進行させる上でも非常に重要な要素なのですが、
本人が歌ってて、なおかつめちゃくちゃイイ!
バラードからアッパーチューンまで乗りこなす。
彼女の演技を目撃するだけでも見る価値あり。
もの凄く当たり前なんですが、
どんなジジイ、ババアにも青春は存在する訳です。
しかし、物理的な時間で考えると、一方通行でもう戻れない。
その反面、精神的な部分はどうなんだという話で、
心はいつだって戻れるというreplay性が作品を通じて伝わってくる。
この年齢になると色々考えさせられました。
正直、ギャグはドヤ感強いので、興醒めするかも。
ただ、映画全体がキッチュでポップだし、
きっちり映画文法に乗っ取った上でのギャグなので楽しかったです。
終盤の息子とのやり取りは泣くに決まってるやろがい!
女性にとっての結婚や出産は予定していた人生を
ときには狂わせてしまうものかもしれません。
だけど、最後の選択が物語るのは、
これまで生きてきた人生に誇りを持ち、
1回しかない人生を肯定するという至極真っ当な結論な訳です。
そんなメッセージを受け取って、号泣メーン!でした。
ベタな部分も多いけど、素晴らしい映画だと思います!

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