2014年11月20日木曜日

天才スピヴェット



ジャン・ピエール・ジュネ監督最新作。
同監督の最新作を見たことがなかったので、
見るなら最新作から!ということで見てきました。
(アメリも未見です…)
まぁなんと可愛い作品なんだ!と思いました。
おもちゃ箱をひっくり返したかのような映像を、
3Dを見事に活用しながら表現し、
現実のお話とも有機的にリンクさせる、
絶妙なバランスが素晴らしいなぁと。
スピヴェット君はアメリカの山中に住む10歳の男の子。
彼は非常に頭がよくて、磁力を利用した永久機関を、
発明することに成功する。(実際には400年らしい)
その成果がスミソニアン博物館に評価され、
ワシントンDCで表彰式が行われることになり、
スピヴェット君が単身向かうものの…
というファンタジックロードムービー
彼の家族は5人家族で、父はカウボーイみたいな人、
母は昆虫博士、姉は都会を夢見るティーン、双子の弟
という構成になっていて、弟と一番仲がよかったんだけど、
2人で遊んでいたときに銃が暴発し、弟が亡くなってしまう。
カウボーイ父さんは頭のよい スピヴェット君よりも、
野性味に溢れた自分に近い弟を溺愛していた訳です。
彼は頭がよいからすべての事態を理解していて、
自分の居場所はここではないのかも?と疑い始める。
そこへ表彰式の話が舞い込み、旅が始まります。
冒頭、立体絵本(?)がポップアップし、
この時点で可愛さ5億点を叩き出す!
それに加えて雄大な自然の美しさも強調されていて、
基本原色使いであり、3Dとの相性も抜群。
あと3Dという点でいうと、飛び出す位置が特徴的。
IMAXであれば、視界一杯に映像が多いですが、
本作では物語の情報の補足的な役割を担っているため、
視界の左上に絵を登場させたり、
登場人物の顔に絵をかぶせたり、
ユニークで意味のある3Dだったように思います。
人の動きや物事を分析した図版が、
理系的にはアガるポイントでした。
本作は何と言っても主演を務めた、
カイル・キャレットの無垢さ、純粋さに支えられている。
ホーム・アローンのマコーレー・カルキンを彷彿とさせ、
そのギャグの盛り込み方も最高で、
聡明でありながら、心は10歳の子どもという役を、
見事に演じきっていました。
貨物列車を使った大陸横断、警察の追いかけっこ、
ヒッチハイク、スミソニアンでのスピーチ、
どのシーンも超可愛くて、愛おしい。
一番好きなのはスピーチを含めたスミソニアンのシークエンス。
博物館の女の人の大人のヤダ味全開なのは最高だし、
TV司会者の空気読みまくりの司会芸もたまらない。
(拍手を煽るシーンの間は爆笑した)
ここではなく、もっと自分を受け入れてくれて、
自分にふさわしい場所を探す映画でもあるんですが、
そこにたどり着いたと思っても、
結局また何かが足りないと感じてしまう。
人生とはかくありなん…としみじみ。
心が荒んでいるそこのあなたにオススメです。

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