2014年11月30日日曜日

デビルズ・ノット



有楽町のシャンテで予告編を見て、
これはオモシロそーと思い、見てみました。
前知識ないままで見たんですが、
予告編で描かれた部分のオモシロさはあまり感じなかったです。
実際に起こった未解決事件であり、
アメリカでも大きな問題となっている冤罪事件が題材。
ゆえにドキュメンタリー要素が高く、
全体としての物語は淡白で、明確なカタルシスはありません。
ただ、恣意的に産み出される冤罪の恐ろしさを、
目撃することになるので、その点は興味深かったです。
アメリカのアーカンソー州という片田舎で、
小学生3人が殺されてしまう事件が起こり、
明確な証拠のないまま、悪魔信仰っぽい青年3人が、
容疑者となり裁判が進んでいくものの…というお話。
コリン・ファースは主人公の調査員役で、
明確な状況証拠がないことを理由に青年たちを
何とか無罪にしようと弁護団と画策するのが前半。
まず、子どもの殺され方がエゲツナイんですよね。。
まさにタイトル通りの devil's knotを見せつけてくる。
はじめは死体が見つからなくて、
警察を筆頭に街の人達による捜索が続けられたところで、
結局見つかるんですが、その見つかり方も、
うわぁ…と声が出てしまうくらいの陰惨さ。
殺人事件としての捜査が始まっていくんですが、
矛盾だらけの証拠をかき集めるところが描かれます。
裁判で1個1個確からしいものとして、
紹介されていき、陪審員たちも「コイツら黒だな」
と思うような裁判となっていくのが怖いなーと。
陪審員制度は市民感覚に近づくだけ諸刃の剣で、
感情で人を裁いてしまい、裁判の大原則である
「疑わしきは罰せず」というものが揺らいでしまう。
それがじわじわと描かれていきます。
とくにこのエリアは敬虔なキリスト教徒が多く、
デスメタルを愛し、黒魔術に興味があるというだけで、
脊髄反射的に嫌悪感を露にする一種の拝外主義。
と理性では思うんだけど、3人の青年のうち、
主犯と思われる男の子の佇まいが限りなく黒に見えるという…
ジェームズ・ウィリアム・ハムリックという人が
演じてるんですが、これから期待の俳優だと思います。
俳優という点でいえば、デイン・デハーンが出ています。
彼の出てる映画にハズレ無しの法則がありますが、
本作は脇役で過去作に比べたらキレ無かったかな。。。
個人的には最近よく見るアメリカの夏木マリこと、
ミレイユ・イーノスが最悪なバカ母を演じていて、
ニヤニヤしながら見ていました。
実際の事件が起こってから時間が経っていることから、
現時点で疑わしいとされている容疑者候補の人たちが、
劇中でも怪しい様子で描かれていました。
そこまでは良かったんだけど、
ラストのあの締め方はちょっと無くない?
と思ってしまいました。
もう少し裁判を圧縮するか、全体の尺を延ばすなり、
如何様にもできたと思うんですが、
本作の目的とすることはこの事件の存在を、
周知することにあるのであれば、
あの形も止む無しなのかな〜難しいところです。
息詰まりそうになりたい方にオススメ。

人の心を失った先輩の記事が非常に為になると思います
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