2014年12月20日土曜日

寄生獣



前作のドラえもんで、山崎貴監督作品を初めて見て、
永遠のゼロも見ようかなと思った矢先の本作。
いい評判聞いてなかったので、期待してなかったんですが、
そんなに悪くない…いやイイじゃん!!って感じでした。
(原作を読んでないのが功を奏したのかも)
確かに説明過多な部分も多いですが、
クリーチャーの造形や容赦無く人が死んでいく流れは、
非常に好感を持ちました。
出演している俳優陣も素晴らしくて、
絶妙なキャスティングだなーと感じました。
偏見ダメ絶対!の思いを強くした次第です。。。

主人公の新一は平凡な高校生。
ある日右手に寄生獣が宿り、彼と共に生活することになる。
新一は亜種で、他の寄生獣は脳を乗っ取り、
人間になりすまし、人間を捕食。
人間との共生を目指すもの、好戦的なものなど、
色んな寄生獣と新一の戦いを描いた物語です。
冒頭、世界各地の危機的状況の映像が流れながら、
予告編で何回も見たモノローグが流れます。
この時点では「ダサいなー、嫌だなー」と思ってました。
海からやってきた寄生獣が、色んな人間の脳をhacking。
ある夫が朝食の際に、妻の頭をカプリ!タイトルどーん!
ここで悪くない…いやイイ!好きだ!と。
まず主人公に染谷将太を持ってきたのが
僕自身が好きな俳優ということもあるんですが、
成功の要因かなーと思います。
オーバーアクトと思われる部分も、
彼だからこそ成立したような気がします。
新一に宿るのがミギーという寄生獣で、
声を担当しているのが阿部サダ夫。
このミギーはキモカワイイんですが、
それに加えて人間のことを一動物として、
客観的に見て講釈を垂れるのが好きでした。
この2人のバディものとも言えると思いますが、
関係性が徐々に変化するのがオモシロい。
人→獣、獣→人。
それに合わせた染谷くんの髪型や服装の変化、
ミギーの睡眠の演出はナイス。
ステディの橋本愛との極上甘酸買物シーンからの、
犬が轢き殺されシーンも好きだったなー
深津絵里演じる教師が、人間と共生を目指す寄生獣役。
このキャラの説明過多っぷりは正直目に余りました。
テーマの部分をセリフでガンガン語ってしまう。
ただ話が複雑なので、navigator的な機能だったのかなと。
(水族館で見せる威嚇シーンは最高)
寄生獣なんですが、人間になりすまし、
人間を食べるので、ルックはカニバリズムさながら。
その観点でいうと中華料理屋のシーンは攻めてましたね!
あと本作はなんといっても東出昌大無双が見所。
桐島、ごちそうさん、クローズEXPLODEと、
朴訥な演技に定評があるかと思うんですが、
決して演技が上手い人というわけではない。
それを逆手にとった絶妙なキャスティング。
終盤、えげつない暴れっぷりを見せるんですが、
最高最高でした。(橋本愛の友達の殺され方よ…)
そもそも新一の母親が敵のAという寄生獣に
乗っ取られるという悲劇をベースなのも、
こんなメジャー映画でよくやれたなーと思います。
ラストの河川敷のバトルは大したアレでもなかったけど、
戦いが終わったあとに「涙が出ないんだよ!」と、
新一がシャウトするのは、いわゆる泣き映画を作ってきた監督なりの、
メタ的なギャグとして受け止めました。
本作は続編があるので、
ラストに次作への種まきが行わるんですが、
ここは本当に蛇足だなーと感じました。
次作の冒頭で十分事足りる内容をダラダラ見せてくるんだもん。
病院訪れたところで「一匹残らず殺す!」のところで
終わってしまえば良かったじゃん!
次作はスケールアップによる綻びが目立ちそうだけど、
楽しみに待ちたいと思います。

0 件のコメント: