2015年1月27日火曜日

ANNIE/アニー



去年の秋頃から何回予告編を見たか分からないぐらい、

大プッシュされている作品。
レミゼやアナ雪とミュージカルヒットが続いているので、
その流れに乗りたいというところでしょうか。
自ら行動すれば明日が輝く!
という至極真っ当なメッセージをコメディ要素の高い演出と、
素晴らしいミュージカルで見せてくれるんだから
当然のことながら楽しい映画体験でした。
元々は舞台作品で80年代に映画化されています。
世界恐慌直後という元の設定を現代にupdateし、
プロデューサーに名を連ねるのがウィル・スミスとJAY-Z.
JAY-Zがなぜこの映画の携わっているかといえば、
80年版の音楽をサンプリングした「Hard knock life
という曲を作ったことに起因します。 
ウィルは娘をアニー役で出演させようとしていたけど、
年取りすぎてダメになったみたい。
監督はウィル・グラックという人で、
ステイ・フレンズや小悪魔はなぜモテる?と同じ人。
この2作はいずれも最高最高なので、
コメディ好きの人は要チェック。
お話としては親に捨てられた「里子」のアニーは、
キャメロン・ディアス演じるおばさんの家に
4人の子供と劣悪な環境で共同生活をしています。
そんな生活でもいつか親と再会できることを夢見て、
日々精一杯生きている訳です。
ジェイミー・フォックス演じる、
市長選に立候補している実業家との2人での共同生活が
ひょんなことから始まるものの…という話。
冒頭アニーの授業での発表から始まるんですが、
のっけから最高のミュージカルシーンでアガる!
教室を世界に見立ててフットスタンプと
ハンドクラップでニィーディール政策を語るなんて!
ミュージカルっていきなりセリフが歌になるので、
そこに違和感を感じることが多く、
自ら進んではあまり見ないんですが、
本作はスムーズに日常に音楽が導入されていて良い!
Hard Knock Lifeの元ネタが流れながらの
部屋掃除シーンもまさにそれ。
日常に溢れる音から音楽が徐々に見えてくる、
この感覚がオモシロいんですよねー
アニー役はクヮヴェンジャネ・ウォレス。
ハッシュパピーの主役で有名となった子役。
彼女の嫌味のなさというか、
純真無垢っぷりが本当に素晴らしいなーと思いました。
この役を黒人の女の子がやっていることも、
「2015年のアメリカ」という時代を感じる設定ですよね。
僕が好きだったのは引っ越して、
自分のベッドが手に入ったのに
仮想二段ベットを作って床に寝るところでキュン死。
一方でアニーをイビるおばさん役として
登場するのがキャメロン・ディアス
彼女が相当トバしまくっていて好きだったな〜
子どもを複数住まわせて、
その扶養補助で生活する落ちぶれた歌手役を
彼女が演じているのに隔世の感。
変に若作りせずに自らの年齢を客観的に把握して、
役を選んでいるんだなーと思いました。
(好きだったのは1人ベロベロになりながら、
ツイスターゲームをしているシーン)
C+C music factoryの元メンバーという設定なのに、
歌が下手くそというオチも笑えました。
実業家をジェイミー・フォックスが演じていて、
歌が素晴らしいなあと感心していたら、
そもそもこの人歌手やん!って思い出したり。
極度の潔癖で子どもや汚そうな人と
少しでも触れ合ったら除菌するっていうのは
キレイキレイが大切とされる社会の風潮への
カウンターなのかな?と勘ぐったりしました。
ミュージカルシーンで一番好きだったのは、
アニーが感謝の気持ちをホールで
オーケストラをバックに歌うところ。
冒頭とラストを繋ぐ大事なシーンな訳ですが、
おじさんに純粋な気持ちで感謝する小さい女の子、
それだけで、おじさんの僕は泣きました。
小ネタでいうと劇中で映画を見にいくんですが、
そのcreditがフィル・ロード&クリス・ミラー!
(LEGOとか21ジャンプストリートの監督コンビ)
おそらくトワイライトのパロディなんだろうけど、
Youtubeにfake予告編がアップされていました。
(リアーナが怪物役で出てきてサムアップ!)



アニーの両親が見つかってからは切なくて、
実の両親が見つかったことは本当に喜ばしいことで、
そこへ戻ることは自然なんだけど、
やっぱり寂しいっていうのを
ジェイミー・フォックスの顔で分からせる。
終盤のアニー捜査についてはツッコミたくなる部分が
いっぱいあるのは事実だけど、
見た目が派手になったからいいんじゃね?と思います。
結局のところ、アニー自身が成長するのではなく、
彼女の人生を肯定する力に
周りが影響を受けて心を開き、寛容になるという点が
本作の見どころだと思います。
なので、「こんなんただの施しやん」っていう
安易なツッコミは成立しないでしょう。
思ったほどミュージカル感はないので、
ミュージカルが苦手な人にもオススメいたします。

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