2015年2月8日日曜日

はじまりのうた



予告編を劇場で見てNYを舞台にした音楽にまつわる物語、
ということで楽しみにしていた作品。
予想をはるかに超えてめちゃオモシロかったです!
アメリカでの公開は2013年なんですが、
今の時代の音楽、その業界の動向までもを
エモーショナルな音楽とともきっちり描きつつ、
昨今の音楽トレンドに対するカウンターのような作りに
仕上がっていています。
それでいて、ラブストーリーおよび女性の自立も
描いていてめちゃくちゃ間口が広い作品。
普段音楽を聞かない人でも音楽のことが好きになるし、
音楽を好きな人にとっては最高最高でしかない!

キーラ・ナイトレイ演じるグレタと
その恋人であるデイブは仕事のためNYに引っ越してきます。
ここから楽しいNY生活が始まるかと思いきや、
デイブが他の女の子のことが好きになり破局。
どん底にしたグレタが友人のライブに足を運び、
そこでたまたま歌を披露することに。
その歌を聞いたマークラファロ演じる
音楽プロデューサーのダンが彼女の歌に惚れ込み、
デビューさせようとするものの…というお話。
冒頭でキーラ・ナイトレイが歌を披露するところから
始まるんですが、その歌がまず超イイ!
アコースティックなのと歌詞のもの哀しい内容が
うまくマッチしていました。
このライブハウスにたどり着き、2人が出会うまでの流れを、
グレタ視点とダン視点で2回繰り返します。
正直くどいなーと思ったりしたんですが、歌がイイから無問題!
本作は実際のミュージシャンを起用しているのが見どころで、
彼氏のデイブを演じるのはMaroon 5のアダム。
(この人は歌が上手いなーと思って見てたら、
この声は!って感じで気づきました。)
ブラックミュージックサイドからは
Yasiin Bey(MosDef)とCee Lo Greenが出演しています。
とくにCee Lo Greenが最高で、
ダンのプロデュースで売れたラッパー役なんですが、
超ステレオタイプなラッパー像を見事に演じていました。
プールでのシーンは完全にRick Rossにしか見えない。
グレタはダンにフラれる一方で、
ダンは酒浸りの毎日で家族との関係が上手くいっていない。
ボロボロの2人が音楽製作を通じて再生していく姿を
見ていると音楽は素晴らしいなぁという気持ちになります。
(ボロボロ表現として、グレタが デイブとの思い出動画を
iPhoneで見る姿は胸が締め付けられる。。)
2人はデビューに向けたデモCDの製作を始めるんですが、
お金がないからスタジオを借りることができない。
そこでダンが取る方法がNYの街中で録音してしまおう!
というもの。これが凡百の街だと大したことないんですが、
NYだと絵になるんですよね〜
映画のテーマである音楽が彩る日常というテーマにもピッタリ。
僕が好きなのは酔っ払ってデイブの留守録に歌を送るところ。
その手前の友人とベロベロなってるところから、
急にしっとりした歌が展開されるギャップが好きでした。
あと最後の曲にダンの娘がギターで参加するんですが、
下手やと言われていた彼女が
グッサ素晴らしいギターリフを披露するシーンがあるんですが、
おじさんは意味もなく泣いてしまいましたYO!!
(娘を見つめるダンの顔にサムアップ!)
劇中のオリジナルソングが素晴らしいのもさることながら、
劇中で使われる挿入歌も本当に最高。
イヤホンを2つ挿せるスプリッターを使って、
ダンとグレタがお互いのプレイリストを聞かせ合いながら、
NYの街中を徘徊するという極上甘酸シーン。
クラブへ入り若者たちが踊っている中、
2人だけがStevie WonderのFor Once In My Lifeを聞きながら、
踊り倒すシーンはマジで最高最高!
そのあとFrank Sinatraでシッポリしながら、
音楽によって街の風景が異なって見える話も
「そうそう!」と頷きまくり。
さらにデモ完成記念でのハウスパーティーで、
どんな曲が流れても踊ったらダメというゲームで流れる
Skipworth And TurnerのThinking About Your Love
という曲もナイスブギーでテンションガン上がりでした!
並行して描かれるラブストーリーも結構あっさりしていて、
デイブが捨てられてグレタが取る行動や、
グレタとダンの関係性も微妙なところで寸止め。
ラストにグレタが自転車でNYの街を走る、
そのときに晴れやかな顔のアップはまさに映画。
エンドロールで流れる音楽業界に対する
皮肉なメッセージはいらなかった気がするけれど、
映画の冒頭から今アメリカで流行っている音楽
およびその業界はクソだというメッセージの回収だと思えば
まぁいいかな?って感じでした。
現時点では今年見た中で一番好きな映画です!

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