2015年3月14日土曜日

ソロモンの偽証 前篇・事件



宮部みゆき原作。
予告編見てオモシロそーと思い見てみました。
これが久々のハードコアな邦画で素晴らしかった!
監督は成島出という人で八日目の蝉は見てて、
同じサスペンスなんですが、何倍も進化してると思います。
原作がミステリーなので犯人は誰なのか?
そもそも犯人がいるのか?という話ではあります。
しかし!そんなことはどうでもよい!
と言えるくらい俳優陣のパワーを含めて、
映像の魅力が炸裂しまくり。
ほとんどの映画が原作ありきの昨今、
やっぱこのぐらいパンチ効いてないと
映画化する意味なんてないなーとも思いました。

お話の構成としては尾野真知子演じる女性教師が
母校に赴任してきて、校長に対して
彼女が中学生の頃に体験したことを語るという回顧形式。
1990年のクリスマスイブにある男子生徒の遺体が発見され、
一旦は自殺として片付けられるんですが、
犯人を指摘する怪文書が出回り他殺の線が浮上。
しかし、その怪文書も真偽が怪しいと扱われる中で、
中学生達が自ら何が真実なのか?を突き詰めるために、
彼らだけによる裁判を開催する…という話です。
冒頭の死体発見シーンからillなバイブス全開で、
雪の中から顔が出てきて、それを上から押さえて
タイトルどーん!イヤな気配たっぷりで最高。
(タイトルバックがダサイのはご愛嬌)
自殺と結論づけるまでの捜査と、
中学生たちのキャラ紹介が前半に展開されるんですが、
1990年という舞台設定もあり画面が荒々しい。
それが描写のハードさとマッチしていて素晴らしい。
これだけでも映画館で見る価値があります。
ハードさの象徴となるのが不良グループによるイジメ。
バイオレンス度合いも然ることながら、
男が女の子に躊躇なく暴力を振るう陰惨さよ…
こんだけbig badgetでも、ここまでやれるんじゃん!
とグッと高まりましたね〜
主人公の女の子は学級委員を担うような、
いわゆる模範的な生徒なんですが、
それゆえのギャップに苦しむ姿が痛々しい。
殺された少年との対話シーンは息をのみました。
(彼女の涙も印象的でしたね〜)
本作の良さを担保するのが俳優陣の演技。
とくに子役陣はほとんど見たことない人ばかりだけど、
キャラの立ち具合が抜群でした。
何年後かには彼女ら/彼らが日本の映画を担うとすれば、
こんなに楽しみなことはありません。
もちろん大人側も配役ばっちり。
特に永作博美が最高最高過ぎた!
出てる時間は短いけれど強烈なインパクト!
冷たい熱帯魚を彷彿とさせる、
クソまずそうなご飯描写が雄弁に彼女を物語っている。
しかも、子どもがニキビで苦しんでいて、
「野菜中心にしてって言ってるじゃない!」
というセリフはオモシロかったです。
中学生が自ら裁判を行うという設定からも分かるように、
大人が振りかざす論理が正解なのか?というテーマ。
自我が萌芽する瞬間を丁寧に捉えてると思います。
決定的なのが先生と文集の内容で揉めるシーン。
「そんなキレイごとはもうたくさんです!」
このセリフが持つ意味は大人が考えないといけない。
ラストの終わり方が超好きで、
横からのショットで永作博美がインサートしてきて、
「うおー久々に震えるレベルきたっ!」と思いました。
後篇は来月初めなので今からとても楽しみ〜

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