2015年9月12日土曜日

映画みんなエスパーだよ!



TVドラマシリーズを見ていましたし、
監督は引き続き園子温ということで見てきました。
今年の園監督のリリース量はハンパなく本作で4作目。
しかも、そのう3作はいわゆる商業映画で、
これまでの園監督作品とは毛色の異なるものばかりです。
冷たい熱帯魚前後の作品が好きな人にとっては、
ハードさも足りないしヤワイ印象をも持っているかもしれません。
けれど、やっぱり園監督らしさはどの作品にもあって、
新宿スワンのときにも書きましたが、
同じ題材で他の監督に任せたら、
もっと平ぺったい薄い作品になるかもしれないところを
何か引っ掛かり、つまりillnessをぶつけてくる。
そこを楽しむのが今の園監督作品の醍醐味な気がしてます。
(事実、リアル鬼ごっこは見た友人と話してる中で、
超盛り上がったりしましたしね…)
本作もその系譜にある1本で、
瞬間的なくだらなさは日本のテッドと言っても過言ではなく、
お話の整合性を飛び越えた先にある、
ホドロフスキー作品のようだと感じました。(もっとPopだけど)
メインの登場キャラクターはTVドラマシリーズとほぼ同じで、
ヒロインが夏帆から池田イライザになっています。
またお話としてはドラマから独立していて、
改めてエスパーになる経緯や敵キャラが設定されていました。
映画の始めエスパーになるまでのところが
染谷君のオナニーシーンを交えて描かれていくんですが、
このシーンが結構好きでした。
運命の人に出会う妊婦大集合のくだりや、
物語を貫く運命の人の手、足、手の重なり、キスの
一連のPoeticな流れがしっかりしてて良かった!
とくに園監督自作(?)の詩に心を打たれ、
「あれ?もしかして本作は結構骨組みしっかりしてる感じ?」
と期待しましたが、イイ意味でも悪い意味でも
180度裏切った形で話が進んでいきます。
繰り広げられるのは、ひたすらのエロ。
それも中学生、高校生が喜びそうな真っ正面のエロ。
超能力とエロの親和性は言わずもがなですが、
そこはもう関係なくね?ってとこまでエロを展開していきます。
ホントにボンクラ魂が炸裂していて、
パンチラ、胸の谷間、オナニーetc..のショットのつるべ打ち。
園監督は女性をエロく見せるヤバスギルスキルの持ち主なので、
露骨にモロ出しするよりもエロを感じさせてくれる。
宇宙からの光線を浴びたときにエクスタシーを
感じていたものがエスパーになれるという設定なため、
オナニーにまつわる話がたくさん出てくるのも見所。
TENGA描写とか攻めるな〜って感じだったし、
とくに夏帆からヒロインが変わったことで、
女の子の性にまつわる描写も攻めてました。
一番好きだったのは、岡村ちゃんの曲と
高橋優の曲を使ったシーン。
後者はTVドラマのオープニングでも使われていた曲ですが、
このシーンは園監督の自転車吐息でも似たようなシーンがあり、
セルフオマージュになっていました。
(TVドラマでも同じシーンありましたし)
細かいネタを挙げていくとキリがないんですが、
サヘル・ローズ演じるエスパーが
心を純化する!といって超能力を発揮すると、
女の子がダッチワイフになるくだりは
何回見ても笑ってしまいました。
あと高橋メアリージュンのサイボーグ感も見所で、
終盤の舞台上の疑似子宮とか
一体オレは何を見ているんだ…という気持ちになりました。
一つ一つの小ネタはオモシロいんだけど、
お話構成としては正直厳しかったです…
皆のエスパーの能力生かした展開も、
あまりなかったしオチにいたるまでの流れも
分かりにくいし、納得しにくいものでした。
中高生が見てゲラゲラするには100点の映画だと思います。

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