2015年10月20日火曜日

バクマン。


大根仁監督最新作。
当時ジャンプで読んでたバクマンの映画化!
ということで見てきました。
モテキ、恋の渦と大根監督の映画は
好きな作品が多いんですが、
これまでの作品とは打って変わって
ド直球青春映画になっていて最高最高でした!
原作の必要な部分をきっちり抽出して、
映画でこそ表現できるオモシロさに溢れまくり。
ビッグバジェットの邦画は残念なものが多い中、
大根監督の存在は一つの回答、救いなのではないか?
と思ったりしました。
(岸辺の旅の興行成績が悪いことは全く納得できないけど…)
主人公は佐藤健演じる真城と神木隆之介演じる高木。
2人は同じ高校の2年生なんだけど、
真城が作画、高木が原作という形で
ジャンプへの連載を勝ち取ろうというお話。
冒頭、2人が漫画を編集部に持ち込む場面から始まるんですが、
ここでジャンプの歴史をざっとおさらいしてくれます。
僕自身、小学生の頃から大学生ぐらいまで
ずっと読んでいたので分かったつもりでいました。
しかし、この冒頭のVFXを活用した、
超かっこいい歴史紐解きシーンを見て、
改めて見ると映像込みですげーな!と思った次第です。
また真城のオジさんが漫画家で
過労によって亡くなったことが示唆され、
彼は漫画家になることを躊躇している。
そこをtake overさせるのが小松菜奈演じるミホ。
大根監督といえば女子を可愛く撮る
天才だと思っていますが本作でもその力が炸裂!
小松菜奈って超絶可愛いというより、
微妙なバランスで成立してる感じだと思うんですが、
原作にもあったフワフワ感をドンズバで
表現しているなぁと見ていました。
ここまでの流れをテンポ良く紹介しつつ、
ジャンプに掲載されることがいかにステータスで、
漫画家になることは難しいというハードルと
長く続けることのハードルが観客に共有され、
2人のまんが道がスタートしていきます。
本作の素晴らしいところは漫画の作り方、作られ方を
丁寧に描いている点だと思います。
原作は漫画家の漫画というメタ構造なので、
当たり前の話なんですが、
ネーム作成から連載に至るまでの
道のりの険しさと長さがあるゆえに
物語にカタルシスが生まれますし、
ものづくりのワクワク感もビシバシ伝わってくる。
主人公2人がよれた服着てる感じや、
ずっとインクで手が汚れてるとか、
細かい演出によって物語の説得力が増してると思います。
(もちろん衣装は伊賀大介!)
また音楽も全編にわたってめちゃ好みで、
エンドクレジットを見ると主題歌を含め、
全編サカナクションが担当していました。
特に好きだったのはGペンのカリカリ音から、
音楽がインサートしていくシーンで興奮しまくりでした。
主人公たちのライバルとして立ちはだかるのは、
染谷将太演じる新妻エイジ。
同じ高校生作家として、人気投票でシノギを削り、
これが後半のメイン部分となるんですが、
演出が素晴らしいなーと思いました。
順位争いという見た目として地味になりそうな展開を
ダイナミックなVFXでバトル化して見せてくれます。
努力・友情・勝利というツッコミ社会では
冷たく笑われてしまいそうなテーマを
登場人物たちに語らせながら、
やっぱり普遍的にカッコ良いことなんじゃない?!
という提示には心底納得しましたし、
自分にも言い聞かせたい所存です。でもやるんだよ!
役者陣はもうどれも言うことなくて、
佐藤健の口尖らせる顔とか振り切っていて好きだし、
山田孝之×リリー・フランキーの
凶悪編集部は男臭くて最高だし、
皆川猿時、新井浩文、桐谷健太の漫画家トリオは
笑いどころをぴったりと抑えていました。
これみよがしにフリがあったけれども、
あのラストはどうしたって号泣メーンに決まってるやろ!!!
こんな作品が日本の映画としてアベレージで見れれば、
本当に幸せなことだと思います。

0 件のコメント: