2016年9月18日日曜日

映画の頭脳破壊

映画の頭脳破壊

映画への愛を取り戻すべく映画本でも…
と思って読んでみました。
中原昌也さんの小説は何冊も読んでいるんですが、
映画関連の書籍は初めて。
特定の作品について14人のゲストとの対談が
収録されている作品です。
非常にバラエティに富んだ面々で、
作家、映画監督、批評家などなど。
1人目の蓮實重彦と語っているのが、
クリント・イーストウッドの「硫黄島からの手紙」、
「父親たちの星条旗」でシビれました。
両方とも見ているんですが随分前ですし、
作品の立ち位置や見方がフレッシュで
すでに見た作品でももう一度見たくなりました。
とくに蓮實重彦が語っていた、
二宮くんの顔の無記号さゆえの存在感の話がオモシロかったです。
亡くなってしまった鈴木則文監督と、
スコセッシのディパーテッドを語るなんて、
組み合わせの妙として最高すぎる!
映画って人によって見方が全然違うし、
その差異にこそオモシロさがあると思っています。
「これは〜のサンプリング/インスパイア」
というファクトを積み重ねていく町山さんが
提示している映画の見方も為になるし好きなんですけど、
それを天高く掲げて「これが絶対正解!」と
振りかざすのはちょっと違うよなーと思うわけです。
そう考えると中原さんの見方はユニークで、
同意できる点もあるし、厳しいな〜と感じる点もありました。
最後に今思っていることを自戒の意味も込めて引用。

この映画を観たら何かが得られる、
何かを得るために小説を読むというのは、
本当に卑しい感じがしてしまう。
そんなやつはプラモデルでも作っていればいいんですよ。

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