2015年7月27日月曜日

インサイド・ヘッド


ピクサー20周年記念ということで
見ないわけにはいかない本作。
最近、積極的にディズニー作品を見るようにしてますが、
そのクオリティの高さに毎度驚き楽しんでいます。
そんな中での本作はまさに集大成!
と言っていい仕上がりで最高最高!
設定は恐ろしいほどミニマルなんだけど、
その発想の切れ味のよさと、
それ具現化した隅から隅まで計算され尽くした
世界観に畏怖の念を抱きました。
ルックとしては子ども向けなんだけど、
そこに託されたメッセージは大人の心を激しく揺さぶるもので、
思い出、ノスタルジーとか色々考えさせられました。
内容が素晴らしすぎるだけに
冒頭のドリカムのPVはいただけない。
曲は悪くないし、もちろんドリカムも悪くないけど、
PVがダサいということ、拒否することのできない上映前に
映像を持ってきたことは本当に良くなかったと思います。
まー映画が素晴らしかったから水に流すけどね!
主人公はライリーという女の子の中に存在する、
ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリという5つの感情。
ライリーに素晴らしい思い出を作ってもらおうと、
ヨロコビを中心に5人で働いている。
しかし、その中でカナシミだけが自らの役割を見つけられず、
ネガティブな存在として他の4人から疎まれてる。
ライリーが慣れ親しんだミネソタからサンフランシスコへ
引っ越したタイミングで、ヨロコビ、カナシミの2人が
司令塔から事故で弾かれてしまい…というお話。
前半に感情のシステム紹介がされるんですが、
その世界観の完成度に驚きました。
しかも、徐々に映画が進むにつれ、
システムの全体像が分かるんですが、
本当にこんなことよく思いついたなーと脱帽。
思い出がボールになっていて、大切な思い出は光り輝く。
それらをベースにライリーの世界観が構築されるっていうねー
ヨロコビは超ポジティブでライリーの幸せを何よりも願っている。
ゆえにライリーを悲しい気持ちにさせるものは
極力排除するするように物語序盤では行動します。
僕はネガティブなのでカナシミに感情移入して見てたので、
ヨロコビの一方的な価値観の押し付けが居心地悪かったんです。
けれど物語が進むにつれて、カナシミという感情が果たす役割と、
安易な一元的な感情で片付かないことが示されていきます。
それはライリーが大人になる過程とも一致している。
この部分が本作の肝であり、今この時代に響くものだと思います。
さらに物語で重要な役割を果たすのが、
ビンボンというライリーが子どもの頃に
思いついた空想のキャラクター
大人になったライリーが最近思い出さなくなってるから、
彼女の脳内の中で次の出番を待っている。
彼が体現する思い出の切なさはグッとくるし、
利他的行動は号泣メーンに決まってる!
ライリーだけじゃなくて、両親の感情も擬似化されいて、
パーソナリティーの反映として、
それぞれ司令塔が違うのもオモシロい。
これを発展させたエンドロールも秀逸すぎる構成でした。
近くの映画館で字幕がなかったので吹き替えで見ましたが、
それも全然苦にならなかったです。
とくに大竹しのぶのカナシミの声は
ナヨナヨ感全開で最高だったなー
とにかく現時点のピクサー最高到達点とも思える本作は
絶対劇場で見た方がいいですYO!!

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